山で過ごす時間

wanna enjoy mountains 🍀🍁🌼🗻

2023/8/26-8/27 扇沢から後立山連峰の南部を歩く(2日目:針ノ木峠~船窪小屋~烏帽子岳~高瀬ダム)

こちらの続きです。

 

 

 

 

夜中の1時ぐらいまで、雷雨が断続的に続いたと思います。
雷光で目を覚ます度に時計を見ては、いつ収まるのだろうか…早朝には雨が止んでほしいが…と不安な夜を過ごしました。

朝2時前に起きた時点では、ガスってはいるものの雨はやんでいたため、まずは船窪小屋に向けて予定通り出発することとしました。

針ノ木小屋~蓮華岳~(大下り)~北葛岳~七倉岳~船窪小屋

2日目は高低差が大きく、距離も長いため、3時に出発。
まずは初日に登った蓮華岳に登っていきます。樹林帯は道がわかりやすいのですが、暗い時間は広い尾根に出たところが少々わかりにくいです。
(マーキングが少なく、砂礫の積み重なった登山道を見つけないといけないため)
初日に登って登山道の感じを確認しておいてよかったと思いました。

蓮華岳からは、ザレ場の大下りを降りていきます。ザレ場そのものは比較的道がわかりやすい印象でしたが、ちょっとした岩峰を巻く箇所など、登山道の切り替わり箇所は要注意だなと思いました。

※七倉岳までは、ハイマツなど木が伸び伸びになっていました。早朝は朝露対策が必要です…(特にこの日は深夜まで雨が続いたため、ザックカバー+レインウエアが必須でした。)

 

暗い時間の通過のため、あまり写真はないのですが、蓮華の大下り下部のクサリ場続きのところは、前日の常駐パトロールの方のアドバイスの通り、クサリに頼り切らないよう、岩場をうまく使って通過としました。

大下りを下り切ったら、北葛岳への登り返しとなります。降りては登りの繰り返しの始まりです・・・。

眺望がないと登りが長く感じます。木の雨を纏いながら、明るくなる頃に北葛岳に到着。山頂は少し開けているので、ザックを置いてしばし休憩。。

北葛岳

 

北葛岳から、また降りて、ワイヤーやハシゴの登り返しを経て、七倉岳への登り返しへと歩みを進めます。
時折、ガスの切れ間がありましたが、歩いている稜線はあまりよく見えない日でした。

北葛岳方面を振り返る

七倉岳への登り返しが見えたあたりで、登山道に雷鳥が10羽近く集合していました。
こんなに集まっているのは初めてみたので、驚きでしばらく動けず。

よく見ると雷鳥軍団

雷鳥さん達

この先で、ちょうど七倉岳方面から降りてきた方々とお会いしたので、雷鳥がたくさんいましたよ!とお伝えする(雷鳥が隠れる前に見れているといいなぁ…)。
そこから七倉岳までは、他の登山者に会うことはなく、もくもくと登り返し。。。

七倉岳への登り

七倉岳

七倉岳には小屋番さん?らしき方が景色を眺めていました。
水の購入のため、船窪小屋に立ち寄ることとします。

ちょうどラジオ体操の時間だったようで、せっかくなので飛び入り参加させていただきました!
小屋番さん曰く、前日夜の雷雨は、こちらでは雹も降ったとのこと・・・。近所の山でも違いがあるものなのだな、と勉強になりました。

 

その後、水を購入して、烏帽子岳方面に進みます。
立ち寄っただけでしたが、出発するときに小屋の鐘を鳴らして頂き、嬉しかったです!

七倉岳から船窪小屋・烏帽子方面の分岐

船窪小屋~船窪岳~不動岳~南沢岳

おそらく不動岳とその先の烏帽子の方面

さて、ここから南沢岳まで体力を要する長いパートに入ります。

船窪小屋テント場への下りまでは、景色が良く、歩きやすい平たんな登山道が続きます。
その後、テント場まで降りてからは樹林帯歩きとなります。

テント場の先の雰囲気のいい登山道

船窪岳(第1ピーク?)への登り返しまでは、秋の高山植物を楽しみながら進みました。
登り返しに入る船窪乗越付近で、「上級者ルート」と書いてある針ノ木谷に降りるルートとの分岐があります。
「アップダウンが始まったなぁ」と思いながら登って行って、まずは船窪岳。

船窪岳

船窪岳を過ぎた先は、崩壊地近くの通過が出てきます。

崩壊地とヤセ尾根通過

滑りやすそうにも見えますが、前日の降雨のためかそこまで気にならなかったです。
船窪小屋~烏帽子小屋の間のアップダウンは、地面に掘られた急なステップを登っていく箇所が多くあり、急な階段を上り続けているような感じです。。

こんな感じの道が続くのですが、本来登山道ってこんな感じのものだったのだろうな・・・という気がして、個人的にはクラシックで楽しいルートだと思っています(体力勝負なので大変ではありますが。。)。

全般的に登りの段差が大きい

ガスの中、登ってもまた次の登りが見えてきて、いつ山頂になるのだろうか・・・と思いながら登っていって、船窪岳第2ピークに到着。
ちょっとした広場になっているので、ここで小休止とします。
船窪岳と第2ピークの道標は、新しいものになったばかりのようです(前日、針ノ木岳の夏山常駐パトロールの方に教えて頂きました。)。

船窪第2ピーク

度々地図を見て歩いているのですが、なぜかこの次の「不動岳」のことが頭からすっかり抜け落ちていました。次は「南沢岳」で、「その先、烏帽子岳分岐までは下り基調」という思い込みのもと歩いていました。。

船窪第2ピークの先は、しばらく歩きやすい樹林帯の道が続きます。
高瀬ダム側の崩壊地と樹林帯を行ったり来たりするルートになっていて、この日は崩壊地側に出る度に涼しい風が上がってきていて、心地よかったです。

歩きやすいトラバースの道

途中、立山側が開けているところにて。雲はありますが、今日も晴れてますね~。

立山の方は天気がよさそう

崩壊地側は秋の高山植物が楽しめます。

マツムシソウとコゴメグサ

ゴゼンタチバナの実

 

船窪第2ピークから、その次の道標がある不動岳までが、少しずつ登っていくような感じになっていたためか、非常に長く感じました。。。
途中、烏帽子方面からの2組の方々にお会いしたぐらいで、この日はほとんど人が歩いていなかったようです。

急なステップを登って行って、久しぶりの稜線歩きに。この先が南沢岳と思い込んでいた不動岳です。
ちょうど不動岳あたりで船窪小屋でテント泊していた方々とお会いしました。

不動岳へ

そしてこの山行からずっと反省しているのですが、不動岳でお会いした方と、山頂の少し先のコマクサ広場で一緒に休憩をとったのですが、「ここは南沢岳で、後はそんなにアップダウンなかったような・・・」と間違った情報をお話してしまいました。。

 

山頂には道標があるのに、なぜ南沢岳ではなく不動岳と気づかなかったのかというと、道標にちょうど山の名前がなかったのです。。(言い訳)

不動岳

 

コマクサ広場で船窪小屋テント泊の方と、前日の雷雨大変だったね、という話をしました。どうやら船窪小屋のテント場の水はけキャパを越えていたようで「朝、テントの外に出たら大変なことになってた」という話を伺いました。
針ノ木小屋のテント場を出たときは、特に水たまりは見かけなかったので、水はけがよいのかなと思います。
テント場の水はけや、テントの周りに側溝を掘って対策するなど、このところの山行ではすっかり頭の中から抜け落ちていたので、いい気づきを頂きました。
(間違い情報をお伝えしてしまったことが悔やまれます…)

 

コマクサ広場からは、少し滑りやすい木のトンネルや、ハクサンボウフウのお花畑の窪地を下って南沢乗越に降り、そこからまた南沢岳への登り返しとなります。
はじめのうちは樹林帯なのですが、後半はザレ場の端っこを登る箇所が多いです。
針ノ木峠で夏山パトロールの方にお伺いした「南沢岳は蟻地獄」というのが、何か少しわかった気がします・・・。

ザレ場の際を登っていく

 

この時点では、まだ先ほど通過したのが南沢岳だと思い込んでいて、先ほどの道標のピークとこの登った先は一体なんなんだ?とずっと疑問状態でした。
「もうそんなに登りはないかな」という思い込み状態からの上し返しは、かなり堪えるものがあり、ペースを落としてじっくり登るようにしてました。

 

ザレ場の端っこを登り続けた先には、三角点だけある砂地の広場でした。ここが南沢岳のようです。
ここから先は、烏帽子田圃烏帽子岳を楽しみながら歩くことができます。やっと平和な道だ・・・。

烏帽子田圃

南沢岳~烏帽子岳~烏帽子小屋

南沢岳から烏帽子岳分岐までは、いったん下ったあと、細かなアップダウンはあるものの、凡そ平たんな道が続きます。
ほとんど雲の中ではありましたが、時折烏帽子岳が姿を見せてくれました。

烏帽子岳

今年は水場が枯れていたり、山小屋の水不足の話が多いため、もしかすると烏帽子の池も枯れているかも…と思いつつ歩いてきたのですが、登山道沿いの池塘を見ることができてほっとしました。
徐々に、烏帽子岳の方から人の声が聞こえてきます。

疲れたなぁと思いながら歩みを進め、ようやく分岐に到着。
ザックを降ろして、烏帽子岳に向かうこととします。
少し登山道が見えていますが、ハイマツ帯の階段を上って行って、クサリの岩場を登っていくと烏帽子岳山頂に出ます。

烏帽子小屋方面からみた烏帽子岳

烏帽子岳の道標があるところ

山頂はガスっていましたが、時折向かいの稜線が姿を見せてくれました。
信州側はガスがかかりやすいようです。

水晶岳・赤牛岳

烏帽子岳から分岐に戻り、前烏帽子岳に少々登り返しをした後は、烏帽子小屋に向かって下っていきます。
この辺りから登山者が増えてきました。

あとは烏帽子小屋で、ゆっくり休憩してから下山とします。

烏帽子小屋

 

烏帽子小屋~高瀬ダム

烏帽子小屋にも夏山パトロールの方がいたので、昨日いつも烏帽子小屋にいる方とお話させていただいた話をしました。
前日は野口五郎小屋に常駐されていたそうなのですが、昨日の雷雨はそこまでひどくはなかった。特に雨が降ってほしい小屋なのだが…というお話を伺いました。
天水を利用している稜線の小屋にも、恵の雨が降ることを祈ります。


さて、あとは下りです。
ブナ立尾根は急登ですが、登山道が非常によく整備されているので歩きやすいです。
3番の標識まで稜線の景色が楽しめますが、歩いてきた登山道はしっかりと雲の中でした。

南沢岳と不動岳?

 

番号がどんどん増えていく標識を見ながら、淡々と下っていき、最後の階段ラッシュを経て12番の登山口に到着。
ちょうど小雨が降り始めたので、傘を出してから高瀬ダムに向かいました。
※登山口の水場は枯れています。


濁沢の丸太橋

ひんやりしたトンネルを抜けると高瀬ダム

 

高瀬ダムにはタクシーが何台か停車していたので、ありがたく利用させて頂きました。
タイミングが合えば、今年から始まった七倉~信濃大町へのバスを利用する予定でしたが、少し早かったため信濃大町までタクシーで向かい、薬師の湯でお風呂に入ってから東京への帰路につきました。
(薬師の湯は混んでますね~)

不動岳がすっかり頭から抜けてしまったのは大反省でしたが、山を越え、谷を越え、扇沢の南側から七倉まで無事に歩くことができてよかったです。