山で過ごす時間

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2023/12/28-12/30 冬の塩見岳と烏帽子岳(三伏峠小屋泊)

夏の縦走で通った三伏峠の小屋が冬季営業しているという情報を見て、年末の休暇を利用して鳥倉登山口から塩見岳烏帽子岳に登ってきました。

※その後、降雪があったようなので、道の状態は大きく変わっていると思います。

 

今回、雪が少ないのは事前の情報収集で確認できていました。
厳冬期の塩見に登るぞ!といった意気込みではなく、雪の南アルプスで過ごす時間を満喫したいな。富士山を眺めたいなぁ。という思いで向かいました。

夏の塩見岳ではガスで何も見えず、小河内岳からみた塩見岳烏帽子岳への稜線のカッコよさが強く印象に残っていたことが、少し影響してそうです。

 

目次

アクセス

前泊で新宿から高速バスで飯田に入り、翌早朝に飯田から伊那大島まで電車で移動。
伊那大島から鳥倉林道の冬期ゲートまでタクシーで行きました。
※例年、雪や凍結のため冬期ゲートまではいけないようです。
 今回雪が少なかったため、運よくゲートまで行くことができました(運賃は片道約12,300円)。

利用した山小屋

三伏峠小屋:1泊 10,000円(電話予約。布団3枚、寒いので要シュラフ持参。)

  • お湯は1テルモス 300円で販売していました。
  • その他、おでんやカップラーメン、お餅の販売もありました(冬山での売店はとてもありがたいですね)。
  • ガスの利用は自炊部屋、食事は玄関土間のテーブルが利用できました。
  • 受付時に携帯トイレを配布頂きました。使用後は冬期ゲートのごみ箱まで運びます。
  • docomoの電波は、小屋前のテントサイトを町側にいくと通じました(三伏山・烏帽子岳塩見岳など、山頂は電波良好でした)。

下山後のお風呂

松川インター近くの清流園を利用したかったのですが、、、2024/2/29まで休館でした。

 

ここから、林道歩きと登山の記録です。

林道歩き:冬期ゲートから鳥倉登山口(約8.3km)

ゲートには数台車が止まっていて、3名組さんがちょうど出発するところでした。
登山届を出すポストがあり、身支度を整えてから出発とします。

冬期ゲート

夕立神パノラマ台、キャンプ場への入り口、駐車場をいくつか通り過ぎながら、もくもくと歩みを進めます。
この日の時点では目立った凍結もなく、チェーンスパイク無しで歩くことができました。

1時間50分で登山口に無事到着。雪がないですね。

三伏峠への登山口

 

鳥倉登山口から三伏峠

少し雪があるものの問題なく歩けそうだったので、身支度を整えたらこのままツボ足で登っていくことにします。

三伏峠まで10の目印があり、どこまで進んでいるかの目安になるようになっています。

登山口から窪地の中を登っていき、尾根にのってから豊口山間のコルまで登っていくと、そこから少し登った先はしばらく桟橋のあるトラバース道続きになります。
途中、動物の鳴き声が聞こえて何かな・・・と思ってよく見たら真っ白なオコジョでした。

夏に利用した水場は、か細いながらもまだ流れがあり、初冬の雰囲気だなぁと思いながら塩川ルートとの分岐へ。

分岐からは登りが続いた末に、三伏峠へのフラットな道となります。

小屋まであと少し

 

三伏峠から烏帽子岳

小屋についたのは、お昼すぎでした。引き戸がドアがうまく開けられず、苦戦していたところ中から小屋番さんが出てきてくださいました。
時間に余裕があるので、翌日登る予定の塩見岳を眺めるべく、烏帽子岳に行ってみることにします(3日間滞在しましたが、毎日烏帽子岳に散歩にいってました)。

お花畑あたりは風が吹き抜けるためかトレースが飛んでいるところもありましたが、ありがたいことに雪が多い斜面はトレースがしっかりありました。
ハイマツなどの低木が伸びているので、荷物引っ掛かりやすく、要注意でした。

烏帽子岳から眺める塩見岳、いいですね。

明日登る塩見岳

三伏峠から塩見岳

夜の小屋時間は、小屋番さん、入山日に塩見岳に行かれていた2人組のガイドさん一行、テント場の名古屋の山岳会の3人組さんが集まり、皆さんの興味深いお話を伺いながら、厳冬期の冬山の過酷さを忘れて居心地の良い、のんびりとした時間を過ごさせて頂きました(珍しく10時間も寝てしまいビックリ)。

 

2人組さんに登山道の状態を伺い、塩見岳へは朝6時頃出発で向かうこととしました(持ってきたワカンは小屋に置いていくことに。。)。

小屋番さんに朝からお湯・お茶を準備して頂き、霜が降りかかったり、降雪で朝狭くなっている雪山テントの日々を思い出し、冬期営業小屋への感謝から1日が始まりました。

準備をして外に出てみると、月が煌々と輝いていましたが、塩見岳は見えず・・・歩いているうちに雲かガス切れることを祈りながら出発としました。

 

小屋からテント場を過ぎて、烏帽子岳との分岐から三伏山に向かいます。
今回トレースばっちりでルートファインディングは無しでしたが、道を探す場合は木のテープが目印になりそうです。
三伏山から本谷山、塩見小屋への登りまでは、長くてなだらかな樹林帯の道が続きます(ここは行きより帰りのほうが長く感じます)。

 

「塩見小屋まであと40分」の看板から登りとなり、稜線歩きへと変わっていきます。
塩見小屋まではガスで何も見えなかったのですが、ガスのおかげで木々が白いお化粧をしていて、素敵な冬の森を楽しむことができました。

塩見小屋への登りにて、霧氷がきれいでした

塩見小屋(扉開けられず)

塩見小屋まではチェーンスパイクとストックで来ました。

小屋の温度計はマイナス15度でしたが、風が強くなかったので、そこまで寒さは感じなかったです。

ここから岩場になるので、ヘルメット・アイゼン・ピッケルにします。

塩見小屋より。晴れた。

夏に来たときは、塩見小屋から蝙蝠尾根を下るまで、ガスでほとんど何も見ることができなかったのですが、今日は景色を楽しみながら歩くことができそうです。

 

クサリは、ばっちりでてました。

クサリ場

霧氷がきれい

久しぶりのアイゼン歩きで、岩やクサリに注意しながら登っていって、無事に塩見岳山頂に到着です。

夏に見つけた、風の弱い西峰の北側でのんびり休憩しました。

塩見岳山頂より、南側(荒川三山、赤石岳聖岳へとつながる稜線)

塩見岳山頂より、北側(仙塩尾根・白峰三山仙丈ケ岳甲斐駒ヶ岳

富士山、山の連なりが美しい

夏に歩いた蝙蝠尾根

塩見岳東峰より、西峰と富士山

山頂では、夏場にめぐった南アルプスの山々を眺め、色々思い出しながら過ごしました。

さて、30分ほどゆっくり景色を楽しみ、下山開始とします。

もっと雪が多い中登ってきた場合や、山頂まで自らトレースをつけてたどり着いた場合は、また違う気分を味わえたのかな。とは思いますが、純粋に景色を楽しむことができて楽しかったです。

 

途中で山岳会の3人組テント泊の方々に会う。

テント泊の3人組さん

その後、帰りも塩見小屋で装備を変えて、チェーンスパイクとストックに戻し、本谷山まで長いなぁと思いつつ歩みを進め、本谷山と三伏山でお昼ご飯を食べてのんびりしながら小屋に戻りました。

本谷山付近でテント泊の方々にも会い、三伏峠では10人ぐらいに会いました。

小河内岳の避難小屋に向かう方もいて、12/29は賑やかな登山日和でした。

(そして、また夕方まで時間があるので烏帽子岳散歩へ・・・)

 

小屋泊の方も増え、小屋番さんから小豆をゆでて餅をいれたぜんざいを頂き、(初日もなのですが)他の方からおすそ分けを頂いてしまったり、またも居心地の良い時間を過ごしてしまいました。
(次に行くときは、私も美味しいものもっていこう。。。)

様々な場所から人が集まる冬期小屋で、いろいろな情報や知識に触れることができ、非日常の面白い時間を味わうことができました。

 

烏帽子岳で日の出

最終日も烏帽子岳に行って、日の出を楽しんで、小屋泊の2人組さんが小河内岳に向かうのを見送ってから下山とします。

朝早く出たら小河内岳まで行ってから下山というのもできたかな・・・と思いますが、また次にくるときのお楽しみに取っておくこととします。

富士山の方から日が昇る

 

三伏峠小屋に戻って荷物を整えて、小屋番さんに挨拶をして下山とします。

冬というより、春の雪山のような山行ではありましたが、南アルプスで過ごす時間を楽しむことができてよかったです。

 

夕立神パノラマ公園

帰りは12時ごろ下山となるように時間調整しながら歩いていました。
林道の冬期ゲートから少し先に、夕立神パノラマ公園という展望台がある広場があります。

小高い東屋があり、テーブル・ベンチがあって、お昼ご飯休憩にぴったりの場所でした。
中央アルプス烏帽子岳や荒川三山~赤石岳聖岳の眺望がすばらしいです。

夕立神パノラマ公園からの中央アルプス

 

冬期ゲートからは車で松川インター近くまで乗せて頂き、高速バスで新宿へと戻りました。

少々バタバタしている日々は続きそうですが、2024年もまた山に行けるといいなぁ。。