3連休を利用して、冬の蝶ヶ岳へ。
毎晩雪でしたが、暖かく過ごしやすい3日間でした。
そして蝶ヶ岳への登り・下り、横尾から徳沢、明神池から上高地までと、ラッセルを満喫した山行でした。
目次
- 登山口までのアクセス
- ルート上の注意点
- 幕営地
- 帰りの温泉
- 1日目:釜トンネルを抜けて、大正池・上高地、そして徳沢へ
- 2日目:徳沢から蝶ヶ岳に登り、横尾に降り、そして徳沢に帰還
- 3日目:徳沢から明神池によって、釜トンネルへ
登山口までのアクセス
- 冬期の上高地入山口は、釜トンネルとなります。釜トンネルまでは毎日あるぺん号を利用しました(9時前着)。
- 帰りは、中の湯バス停(釜トンネル入り口)から平湯までバスで移動し、温泉・お土産購入後、平湯から松本へバスで移動しました。平湯ではバスの乗車券を購入してから乗車となるので注意です。
ルート上の注意点
- 釜トンネルから大正池、上高地、明神までは雪山ハイキングの方が多く、基本的にはトレースがあるかと思います。
- 降雪直後は、明神より先はトレースがないと思って行った方が良いかと思います。今回の登山では、初日は明神から先はトレースが消えていました。
- 上高地から蝶ヶ岳へのルートは、徳沢からか、横尾からとなるかと思います。横尾からのルートのほうは積雪量が多いです。徳沢からの長塀尾根のほうがラッセルはまだ楽な印象です。
- 横尾から徳沢までラッセルがつづき、夏道コースタイム70分のところ2時間かかりました。。距離が長い分、蝶ヶ岳のラッセルより大変でした。。
- 帰りは、明神から明神池によって岳沢側のコースで上高地に戻りましたが、木道の落とし穴に何度も落ち、途中から1名分のトレースはあったものの雪の多さもあり、ここも夏道コースタイム75分のところ2時間かかりました。
幕営地
- 徳沢に幕営しました。キャンプ場のトイレはなくなっていましたが、仮設トイレが2基設置されていました。水場はありません。Docomoの4G電波が良くつながりました。
- 横尾は、水が出ていて避難小屋もトイレもきれいでした。猿がたくさんいたので外でテント張るよりは、避難小屋のほうが安心な気がします。。
帰りの温泉
ひらゆの森を利用しました。
【公式】ひらゆの森 - 奥飛騨温泉郷平湯温泉 (hirayunomori.co.jp)
ここからは、山行の記録です。
1日目:釜トンネルを抜けて、大正池・上高地、そして徳沢へ
冬期の毎日あるぺん号は、八ヶ岳の登山口の美濃戸口、新穂高ロープウェイを経て、釜トンネルに8:45頃到着です。
釜トンネル入り口では、環境庁を名乗る方々が登山者に行先確認をしていました。
身支度を整えて、まずは長い釜トンネルに入ります。トンネルは2つありますが、どちらも電気がついているので明るくて安心です。
2つ目のトンネルを抜けると、雪の車道歩きとなります。この日は凍結箇所はなかったので、ツボ足で進むこととします。
まずは大正池まで50分ほどの歩きでした。青空と雪景色を楽しみます。
大正池からは、車道かハイキングコースでのアクセスとなります。
車道は雪崩になることもあるので、ハイキングコースとしました。霧氷がきれい!
河童橋あたりまでは青空でしたが、徐々に雲が多くなってきました。予報通りだなぁ…。
小梨平からいっきにトレースが少なくなり、ワカンを出すことにしました。さらに明神からは先行トレース1~2名分となり、徳沢園までかなり長く感じました。
午後1時ごろに到着するころには、雪が降り始め、雪の中のテント設営。
徳沢から1名、長塀尾根を登っていく方がいて、雪の中すごいなぁ・・・翌日会えたらトレースのお礼を、と思いながら見ていました。
長塀尾根にトレースつけに行こうかな・・・と思ってはいたのですが、雪が降ってきたので翌日早めに出発してがんばることとします。
すっかり灰色の景色になった徳沢園。団体さんのテントもあり、20人ぐらいはいたのかな?と思います。
雪が降り積もる中、水を作って、早めにご飯を食べて就寝とします。
この日は猿の声はしなかったなぁ。
2日目:徳沢から蝶ヶ岳に登り、横尾に降り、そして徳沢に帰還
5時頃にヘッドランプをつけて、ワカンで出発。
少し前に出発していた2人組に途中で追いつき、急登が落ち着きいったん平地になるところでテントを1張り発見。
ここからはノートレースとなり、木のペンキマークやテープの目印を辿ってトレースをつけていきます。休憩していたところで中腹でテント泊されていた単独の方が追いつき、しばらく先頭を変わっていただき、非常に助かりました。
お話させていただく中で、常念岳の東尾根をおすすめ頂いたので、機会があったら行ってみようかな、と思います。
その後、長壁山への尾根にのる鞍部あたりで再び先頭交代。長塀山のピーク近くの急な登りを乗り越えて、少し遠くの山が見える長塀山へ。
道標は見つけられず。
長塀尾根は、平たんになってくるとラッセルがきつくなります。
標高があがってきた分、少しずつ眺望も楽しめるようになってきて、気分転換しながら進むことができました。
こういう平たいところは雪が深いです・・・。
樹林帯を抜けると、素敵な稜線歩きへ!
雪がしまってそうな尾根伝いを登っていきましたが、時折踏み抜きには悩まされました。
山頂からの槍・穂高、お向かいの稜線もいいお天気です。
蝶ヶ岳は風も弱く、食事をとりつつのんびりできました。
道中交代でラッセル頂いた単独の方に挨拶をしてから、蝶槍方面に進むこととします。
振り返ると蝶ヶ岳は雲が迫ってきています。。。
蝶ヶ岳からも引き続きトレースはなかったのですが、ワカンで淡々と進むことができました。雪は締まっているところもあれば、ふかふかで沈むところもある状態でした。
横尾への分岐を経て、ピラミダルな山容が美しい蝶槍へ。
蝶槍のピークは、「TOP」と書いてあってわかりやすいです(笑)
横尾方面へのトレースは見えず。
下山もラッセルで時間を要すると予測し、蝶槍で少し休んだら、すぐに分岐に戻って下山開始とします。
横尾への下り出しから、樹林帯に入るところが少しわかりにくいですが、一度目印が見つかると、そこからはペンキやテープを追いかけて進むことができるので、登山道自体は見つけやすいかなと思います。
雪の多い、かなりの急斜面が続きます。
途中、雪の広い斜面にでるところで、また道がわからなくなりましたが、ぽつんとある木をふと見ると「槍見台」の木の看板が括り付けられていました。
「槍見台」の木の次は、少し斜面を降りて目印のある木を見つけるまでは、少々不安になります。
延々と続く急斜面の下りのラッセルを経て、傾斜がゆるやかになってしばらくすると、ちょうど横尾山荘の裏手にでました。
蝶ヶ岳から横尾山荘までノートレースでしたが、横尾から徳沢もトレースがなさそうです(猿のトレースだけは豊富・・・)。
横尾で一息ついてから、徳沢に向かおうかなと思って歩いてきたのですが、あまりにも猿が多いので、ワカンを外して避難小屋の中で休憩とします。
水くみなどで小屋から出る度に、猿が小屋の前に来ていました。前日は見かけなかったのですが、横尾では猿が自由に過ごしているように伺えました。
横尾でリフレッシュしたら、再びワカンをつけて徳沢までのハイキングです。
蝶ヶ岳のラッセル疲れもあり、横尾から延々と続く平地のラッセルは非常に長く感じました。
新村橋までがとにかく長く感じました。。。
いつまで続くのだろうか・・・と考えながら2時間かかって、16時ごろ無事に徳沢に帰還。
ちょうど横尾の方に行こうとしている方と出会い、色々情報交換としました。
2日目は夜までいいお天気で、夜は星空がきれいでした。気温もそこまで低くならなかったので、猿の雄叫びを聞きながらもよく眠れました。
3日目:徳沢から明神池によって、釜トンネルへ
朝起きてから、まず霜取りをしますが、1泊目よりもテントにだいぶ雪がつもっていました。
7時頃出発を目指して準備を進めましたが、出発するころもまだまだ雪が降り続いていました。
徳沢からの道は、前日までにしっかりトレースがついている上に10-15cmほどのふわふわ雪が乗っている状態で、ワカンを出さなくても良さそうだったのでツボ足で帰ることとしました。
明神に向かう途中で晴れ間が広がってきました。
天気が良ければ明神池に立ち寄ろうと思っていたので、行ってみることとします。
明神館から山のひだやさんはトレースがありましたが、明神池はまだトレースがなく、3日目のラッセルを楽しむこととなりました。
誰もいない朝の明神池の時間を楽しみます。
明神池からは明神館にもどらずに、そのまま上高地につながるルートで帰ることとします。古いトレースは見えるものの、木道の踏み抜きにかなり苦労しました。
途中から1名のトレースはありましたが、雪の深い雪原歩きが多く、やはりここもかなり時間を要し、2時間かかって上高地に帰還。。
雲がかかってはいますが、穂高連峰がきれい。
上高地まで戻ると、ここから先はもうトレースがしっかりついていました。
冬もハイカーが多いですね。13:13の中の湯から平湯へのバスに合わせるべく、少し急ぎ足で進みます。
途中、田代湿原・大正池で再び穂高や焼岳の景色楽しみ、釜トンネルを抜けた先の中の湯バス停ではなぜか雪が降っていました。
中の湯でバス待ちの登山者は10名近くいて、釜トンネル入り口ではタクシーが3台ほど待機してました。冬でも人気のエリアなんだなぁと改めて実感です。
降雪はありましたが、3日とも過ごしやすい天候の中、冬の上高地エリアを満喫することができました。
テントの重装備で歩くのは大変ですが、何回来ても心が洗われるいい場所だなぁ・・・と思います。