山で過ごす時間

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2024/2/3-2/4 冬の八ヶ岳を南から北へ歩く

冬になると、根石岳山荘に泊まりに行きたくなります。

アクセスの都合、例年美濃戸口から入山し、北八ヶ岳に下山という、同じようなルートを何度も歩いていますが、毎回違う景色を楽しむことができるので新鮮な気分で歩くことができるなぁと思っています。

今回は、天候が大丈夫そうであれば北横岳の隣の三ッ岳に登りたい、あとたまにはロープウェイ使わずに下山しようかな・・・と思って計画しました。

 

目次

 

登山口までのアクセス

  • 千葉県から長野への夜行バスを利用して、中央道茅野へ

  高速バス | 長野のバス・鉄道ならアルピコ交通株式会社 (alpico.co.jp)

  • 中央道茅野から美濃戸口まではタクシーを利用しました
  • 帰りは、北八ヶ岳ロープウェイからバスで茅野駅へ(本数が少ないので注意)

 

宿泊した山小屋

根石岳山荘(Web予約可)1泊2食 14,000円
モンベルカード提示で500円割引でした

 根石岳山荘 | [公式サイト]北八ヶ岳の最高峰天狗岳へ至近の山小屋 (iodake.jp)

居心地のいい山小屋で、冬でも暖かく、ほっとします。また行こうと思います。

ルート上の注意点

  • まずは、美濃戸口(八ヶ岳山荘)を出発してすぐのツルツル道路で、転倒しないように要注意
  • 例年、赤岳山頂から赤岳天望荘まではトレースで階段状にがちがちに固められていることが多かったのですが、今回は赤岳からの下り出しで雪があまりしまっていない不安定な箇所があり、バックステップで降りました
  • また、横岳付近では、美濃戸側のトラバース通過で、少しステップ切りながら通過が必要なところがありました。
  • 夏沢峠から箕冠山までの樹林帯は1名のトレースのみでした。
  • 2日目は小雪と風で視界が不十分な中、根石岳から東天狗鞍部への下りと、東天狗から少し下って西側の岩のあるトラバースから尾根に戻るところの2か所のルート探しに苦労しました。
  • 北八ヶ岳の樹林帯は登山道が明瞭ですが、視界不良時の三ッ岳は道が本当にわかりにくいので、要注意と思います。

 

それでは、山行の記録です。

1日目:美濃戸口から赤岳・横岳・硫黄岳を経て、根石岳山荘へ

早朝、タクシーで到着した八ヶ岳山荘にまったく雪が無かったのは驚きでした。。。

八ヶ岳山荘にて身支度整えてから、ヘッドランプで出発とします。

 

美濃戸への車道もほとんど雪がなく、凍結はあるものの歩きやすく、春みたいだなぁ思いながら歩いていました。

美濃戸で南沢への登山道に入り、徐々に増える雪を楽しみながら行者小屋へ。

 

行者小屋でアイゼン、ピッケル、ヘルメットに装備を変えて、いざ南八ヶ岳の稜線歩きへ。
文三郎尾根を利用しましたが、階段が顔をのぞかせている箇所もあり、雪の少なさを実感しました。

 

雪は少ないですが、やはり山々は美しいです。

文三郎分岐より阿弥陀岳

天気に恵まれ、風も穏やかでした。
赤岳からつづく、これから歩く稜線。

赤岳頂上小屋付近より横岳・硫黄岳

赤岳から天望荘にくだると、小屋の方が雪かきをしていました。
今年も営業しているようです。

地蔵の頭を過ぎて、日ノ岳への登りに入るあたりで振り返ると、富士山と赤岳東面の雪の斜面が美しいです。

日ノ岳ルンゼ付近より、富士山と赤岳

 

時間に余裕がありそうだったので、夏道では通過するピークに立ち寄りながら歩いていました。
三叉峰では、杣添尾根から登ってきていた方々と一緒になり、しばし賑やかな尾根歩きとなりました。

横岳付近より赤岳と阿弥陀岳

 

横岳で女性2人組チームさんと、お互い写真を撮り合って休憩時間を楽しんでから、硫黄岳へと進みます。
なんとなく台座の頭にも立ち寄ってみましたが、シュカブラ模様がきれいでした。

風の強い硫黄岳山荘付近を通過し、ケルンを頼りに登り返して硫黄岳に到着です。

硫黄岳

 

硫黄岳から夏沢峠、天狗岳へと続く、この景色。何度見てもいいですね。

北八ヶ岳

夏沢峠でヘルメットとアイゼン、ピッケルを解除して、樹林帯歩きへ。

根石岳山荘に到着すると、旧館内が新しくなって壁や床がとっても綺麗になっていました。
案内いただいたのは新館で、今回初めての利用となります。窓からは街の景色が楽しめ、テーブル・本棚もあり、厳冬期であることを忘れてしまいそうなぐらいの快適さでした!

 

根石岳山荘の新館

 

時間があったので、根石岳までお散歩に行き、天狗岳を眺めてのんびりと過ごしました。

小屋に戻ってからは、ホットワインを頂き、本を読んだり、荷物を片付けたりと、夕ご飯までゆっくりできました。

 

夕ご飯は窓際のお席で。冬山でカツ煮を頂けるなんて、なんという贅沢。

根石岳山荘の晩御飯

夕ご飯の時に、お隣の単独の女性の方とお話を楽しませていただきました。
初めての雪山登山で硫黄岳を越えて、天狗岳にも行ってきたとのことで、装備の振り返りや、これから行こうと考えている山のお話を色々聞かせていただきました。

雪山登山は安易に進めるものではないとわかりつつも、自身の雪山歩きを始めたころのことや、反省・改善の繰り返しなど思い出しながら、ちょっと懐かしい気分になりました。

 

夜は20時消灯で、風でガタガタ音はするものの、よく眠ることができました。


2日目:根石岳山荘から天狗岳を越えて、北八ヶ岳の山歩き

5:15の朝食にあわせて、4時台に起床して準備とします。
朝ごはんのため食堂のある旧館に移動する際に、雪が降っているのを確認。。視界はすこしありそうだったので、予定通り朝食後6時頃出発とします。

 

ヘッドランプで歩きましたが、根石岳山荘をでて強風地帯まではロープがあるのでわかりやすいですが、根石岳山荘への登りは目印が少なく、視界不良の中だと難易度が高くなっていました。

根石岳からの下り出しはトレースが飛んでいて、事前に場所を確認しておかなかったら進むことができなかったと思います。
道中、目印の杭がありますが、点々としているのでなかなか難しかったです。

根石岳から雪をかきわけて鞍部に降り立ち、そこから天狗岳への登り返しになりますが、ここも視界不良&トレース無しだと難しいです。。
何度かルート探しで右往左往もしましたが、東天狗山頂直下の鉄橋が出てきたところでは、ほっとしました。。

 

東天狗を通過するころには、雪は落ち着いてきました。
山頂からしばらくは、わかりやすい岩の道ですが、岩稜帯の西側通過付近は、なかなか道がわかりにくく時間を要しました。
雪が多い斜面を下っていると、ようやく黒百合からの登山チームに遭遇し、ラッセル解除となりました。
いつもはトレースが刻まれていて悩むところのないようなルートでしたが、条件によってかなり難易度が変わるものだ・・・と、再認識することができてよかったと思います。

 

樹林帯に入ったあとは、しばらくは水墨画のような冬の森を楽しみました。
東天狗を越えてから、一気に登山者が増え、北八ヶ岳の人気を実感です(笑)

モノクロの世界

高見石小屋から丸山経由で麦草ヒュッテに向かい、茶臼山縞枯山・雨池山を越え、相変わらず水墨画の景色の三ッ岳へ。。
雨池山までの登りもなかなか急ですし、この辺りはアイゼンの岩場歩きの練習に良いです。。。

三ッ岳

 

三ッ岳の岩場を通過し、登山者でにぎわう北横ヒュッテを経て、この山行の最後のピークとなる北横岳に無事到着。
何とか青空を見ることができました。

北横岳で青空

 

ここからは帰りのバスの時間にあわせて、下山となります。

北横岳からスムーズに下山できたので、そのままロープウェイ横を歩いておりることとします。
チェーンスパイクで歩いていたのですが、途中強烈な雪ダンゴができたりと、春山のようでした。

 

下山後はお土産を買ったら、バスで茅野駅まで。。。

 

見た目では南八ヶ岳の山々の方が厳しいですが、今回は北八ヶ岳エリアのほうがなかなかタフでした。

気を引き締めてルートファインディングしながら歩くことができて、なかなかよかったです。