山で過ごす時間

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2023/8/11-8/14 扇沢から日本海へ(3日目:真夏の栂海新道へ、朝日小屋~白鳥小屋)

こちらの山行の続き(扇沢から日本海を目指して、3日目)です。

 

 

 

 

栂海新道を歩くのは、今回が4回目です。

歩いた季節はそれぞれ異なり、様々な様相を楽しませて頂きました。

  • GW、春の大雪原とカタクリの花道。
  • 今回と同じく8月の真夏(暑さはほどほど)。アヤメやニッコウキスゲといった夏の高山植物で賑やか。延々とぬかるみ祭りで田おこし状態。。水場はすべてOK!
  • 10月、涼しくて紅葉最高潮!水場もばっちり。

 

蓮華温泉への道中で朝日小屋にはじめて泊まったときに、小野 健さんの栂見新道の開拓の話の本を見つけました。
藪や熊、小屋の建築の話など、山の開拓の豪快さと、日本海とつなぐ夢の縦走路を創るというロマンの二面性に惹かれて、栂海新道を歩いてみたいなと思ったのが最初のきっかけです。

栂海新道を歩く度に、なんだか自分自身が歴史を辿っているような、探検家になったような・・・そんな気分になります。
そういったこともあって、長くて汗だくで大変と分かっていても、私にとっては何度も訪れたい場所になっています。

 

 

 

朝日小屋~朝日岳~吹上のコル

標高が1,600m~1,200mまで下がる暑さが厳しいことが予想される行程で、天気予報によると午前中は天気は持ちそう。ということで、早々と3時出発とします。
朝日小屋の周りのテントも、多くは明かりが灯っていました。

 

テント場で水を汲んで、前日歩いてきた水平道との分岐まで戻り、そこから朝日岳への登りに入ります。
最初少し急な登りですが、木道の階段が出てきたり、なだらかなところもあります。
朝日小屋の明かりを振り返りながら登っていくと、徐々に富山湾の明かりが見えてきます。

 

ISOの設定が。。。なのですが、朝日岳山頂からの夜景を1枚。
誰もいないかな・・・と思いつつ登ってきましたが、山頂で蓮華温泉に向かう方とお会いしました。

朝日岳からみた夜景

 

 

朝日岳から雪倉岳方面からの登りルートとの分岐を経て、吹上のコルに向かって下りに入ります。
下っていくと雪倉岳側(右手側)に雪渓が現れ、さらに標高を下げていくと沢になっていました。地図に書いてある雪渓の水場のようです。
(暗い時間に通過したため見れなかったのですが、ハクサンコザクラがきれいに咲いていたそうです。)

 

左手に富山湾を眺めながら、どんどん下って、蓮華温泉と栂海新道の分岐となっている吹上のコルに到着です。
日が出てから照陽の池を見たいので、ここで少々休憩をして時間調整・・・。

吹上のコル(穴あき看板、味があっていいですね)

吹上のコル~長栂山~黒岩平~黒岩山

吹上のコルからは、出だしに岩をいくつか乗り越えて、樹林帯の道へと入っていきます。
登山道は明瞭で、倒木でふさがれているところもなく、整備されているようでした。

※登山道沿いに繁茂している、笹などの植物の夜露がなかなかで、朝イチはレインウエアで歩いたほうがよさそうです。
(日が出たら乾くだろうと思って進んでいましたが、黒岩山の稜線に出るまでの間に、すっかりずぶ濡れ状態でした。。)

 

樹林帯を抜けて、木道の広がる広場に出て、しばらく進んでいくと照葉の池にでます。
ニッコウキスゲが咲いていました。
ここから朝日岳の方を振り返ると、歩いてきた朝日岳雪倉岳・白馬岳方面を眺めることができます。

 

照葉の池(池が2つあります)

穏やかな朝の白馬岳方面

 

照葉の池を過ぎ、再び樹林帯を経て、登山道がロープで区切られている広場のような尾根に出ます。
途中にある、長栂山の山頂標識がある小高い丘。
以前は山頂まで行けるようになっていたのですが、ロープで封鎖されていました。

長栂山

何もない広い尾根(好きな場所)

 

日の出

ここからアヤメ平への下りです。
(雪渓が残っていると、かなり急斜面になっていますが、すっかり夏道でした。)

アヤメ平へ

朝のニッコウキスゲ

アヤメ平のアヤメは終わってしまったのか咲いておらず、その手前の日陰に少し咲いていました。

犬ヶ岳までの稜線が見えてきた

輝くチングルマ

樹林帯の道や、木道、あぜ道を下っていくと、水場となる沢のすぐ先に黒岩平のちょっとした広場にでます。

水の補給をかねて、ここで一息とします。
水場は過去秋に見たときよりも水流が少ないという印象でした。

休憩にちょうど良い黒岩平


休憩後、黒岩山を目指して歩いていると、この日初の登りの登山者2人組さんにお会いしました。
水場までどのぐらいかを聞かれ、ちょうど歩いてきたところだったので場所をお伝えしましたが、この猛暑の中、日本海から登ってくる方は尊敬です。。
栂海山荘からとのことで、利用者が多く大賑わいだったという話を伺いました。

 

2人組さんに挨拶をして、黒岩山へと進みます。
気温が上がってきて、風のない樹林帯歩きが徐々に効いてきます・・・。

黒岩山(犬ヶ岳方面を望む)

 

黒岩山~サワガニ山~犬ヶ岳~栂海山荘

ここまでは窪地を辿るようなルートでしたが、黒岩山からは稜線歩きがメインになります。
トラバースでピークを迂回するところが少なく、基本的に尾根沿いのルートとなっているため、アップダウンが多いです。

尾根にくっきり登山道

登ったり降りたりを繰り返して、広場にでると文子の池です。

文子の池

 

引き続き、暑さと草むらのアップダウン続きです。
サワガニ山への尾根に出て、見晴らしがいいところから振り返るとみることができる、この景色。

この秘境に道を創るという夢を実行する気概・・・尊敬と感謝。

サワガニ山への途中で黒岩平・朝日岳方面を振り返る

 

さわがに山

さわがに山から歩いてきた縦走路を振り返る。

朝日岳がすっかり遠くなりました

犬ヶ岳への稜線

 

写真のような稜線の道は、風が吹き抜けて気持ち良かったです。

途中ロープが張られた岩場や急なザレ場もあり、少し注意が必要なところもあります。

(1か所、登山道の崩落で木の中を迂回する箇所がありますが、ピンクテープが多数つけられていたので、わかりやすかったです。)

栂海新道のあぜ道

 

途中、北俣の水場のところで白鳥小屋からの単独の方とお会いしました。
黄連の水場もシキ割の水場も、水が汲めないことはないが、かなり水が細いと教えて頂きました。

白鳥小屋も宿泊者が多かったようです。

(栂海新道、情報交換が大事だなと改めて思いました。)

 

水は黄連の水場で汲むこととして、犬ヶ岳への登りに取りつきます。

標高差はそれほどでもないのですが、登山道が急斜面についていたり、日差しの強烈さなど、いろいろな要素が影響して、テント装備での真夏の登りは秋より難易度が高いです。。

犬ヶ岳

犬ヶ岳より、歩いてきた栂海新道の稜線を振り返る。

山頂付近は紅葉が始まっていて、こんなに暑いのに、早いものだなと驚きました。

犬ヶ岳にて、歩いてきた稜線

犬ヶ岳から一気に下って、栂海山荘です。

丘の上にある栂海山荘

栂海山荘、黄色のバケツはモリアオガエル

室内の様子

栂海山荘前の広場で、結露で濡れたテントを乾かしながら、しばし休憩とします。

ひなたはあまりにも暑かったので、小屋の日陰に隠れて一休み。。。

 

栂海山荘~黄連山~水場~菊石山~下駒ヶ岳~白鳥山(白鳥小屋)

栂海山荘からは、急な下りが続き、一気に標高を下げていきます。

ここから白鳥小屋までの間が、急なアップダウンが多く、一番しんどい区間と思っています。

下って、下って、アップダウンを経て、見落としそうな黄連山の山頂。

黄連山

黄連山から下って、下って、鞍部に出ると水場との分岐です。

黄連の水場の案内

 

北俣の水場分岐でお会いした方のお話の通り、水場に出たところは沢筋を水が流れていて、小さい水たまりがある程度でした。

こんなに水がないとは・・・。

水場(下部)

 

苔で滑りやすい岩に注意しながら、少し上部に登っていくと、水が汲めそうなところがありました。

プラティパスだと十分には汲みにくいので、コップかペットボトルがあれば・・・という感じでした。

ここからは水を4L担いでいきます。

水場(上部)

 

黄連の水場(鞍部)から先のブナ林の道。ここも好きな場所の一つです。

黄連の水場の先のブナ林

 

歩いているうちに徐々に雲が出てきて、日差しを遮ってくれました。

猛暑の夏なので有難いです。

木のトンネルみたいな道を登り返して進み、菊石山へ。

菊石山

 

栂海山荘から先は、風があまり吹き抜けておらず、かなり暑かったです。

水分・塩分補給を行いながら歩きますが、荷物が重くなったのもあり、なかなか進みません。。

菊石山を振り返る

菊石山を下り、またも急斜面を登り、露岩を登り、下駒ヶ岳へ。

ここの山頂標識が一番立派。

少し開けているので、荷物を降ろして一休み。

駒ヶ岳

雲が出てきて、白鳥山(白鳥小屋)がどこにあるのかは、よくわからないのですが、小屋を目指して灼熱のアップダウンを突き進みます。

白鳥小屋方面へ

白鳥小屋への登り返しが、長くてきついことはこれまでの山行で確認済みだったので、覚悟をして最後の登りに進みます。

曇ってはいるものの、暑くて、暑くて・・・段差の大きな登り延々と続くのがしんどく、休み休み進みました。

途中、白鳥小屋直下の水場との分岐があったはずなのですが、気づくこともなく、白鳥山へとたどり着きました。

 

白鳥山(白鳥小屋)

しんどかったですが、午前中に無事到着。

頑張ればその日のうちに親不知に下山できたと思いますが、初めて利用する白鳥小屋が楽しみだったので、ここでゆっくり過ごすことにします。

着いたときは荷物を降ろせる解放感で、ほっとしました。

ここで、朝日小屋でお話させていただいた、一気に親不知に降りる予定の2人組さんを待つこととします。

 

2階に荷物を上げて、濡れた装備を干したり、おやつを食べたり、親不知観光ホテルに日帰り入浴送迎時間の変更電話をしたり・・・、いろいろやっているうちに、無事に2人が白鳥山に登ってきました。途中の水の補給など、いろいろ心配してしまったのですが、元気そうで安心しました。

2人組さんとお話をしているうちに、白鳥小屋宿泊の単独の方が到着(気になっていた清水尾根から歩いてきたとのこと。もう少し早いお花の時期がよさそう!と伺いました)。

少し賑やかになって、嬉しかったです。

 

しばらくして、2人組さんが日本海に向けて元気よく出発!

その後、白鳥小屋にはテント泊の方が1名到着され、猿倉から1 dayで日本海に抜けるトレランの方が2名訪れました(トレランさんとも英語で話が出来ていい経験になりました)。

 

栂海山荘は、もっと大人数だったのかなと思います。

白鳥小屋の利用者は3人で、のんびり過ごすことができました。

お互いの山行道中の話をしたり、電波が入りやすい場所を探したり、小屋前の広場で過ごしていたところ、午後から遠くの雷が聞こえ始め、夕方から雨が降り始め・・・そこからは小屋で時間を過ごしました。

 

夜中までシュラフもいらないぐらいの暑さでした。

 

docomoの電波は、日本海側を向くとよくつながります。

 

 

最終日、4日目の記録へ。。