夏の休暇を使って、4日間で海を目指して歩く山行に行ってきました。
朝日岳を降り、黒岩山から先の栂海新道は、まさに暑さとの闘いでした。
山行計画
- 1日目:扇沢~種池山荘~冷池山荘(水補給)~鹿島槍ヶ岳~キレット小屋(水補給・昼食)~五竜岳~五竜山荘(テント泊)
- 2日目:五竜山荘~唐松岳~不帰ノ嶮~天狗山荘(水補給・昼食)~白馬鑓ヶ岳~杓子岳~白馬岳頂上宿舎(テント泊)
- 3日目:白馬岳頂上宿舎~白馬岳~三国境~雪倉岳~朝日岳(昼食)~黒岩平(水補給)~北俣ノ水場(水補給)~犬ヶ岳~栂海山荘(テント泊)
- 4日目:栂海山荘~黄連ノ水場~白鳥小屋(昼食)~シキ割の水場(水補給)~坂田峠~親不知
ルート上の注意点
※今年は朝日小屋が9/3までで小屋締めになったようで、秋の栂海新道を計画されている場合は注意が必要そうです。
【水場】他の登山者さんとの情報交換や実際の確認としては、以下のような感じでした。未確認の場所については記載していません。
猛暑による水不足の影響によって、状況は変わると思いますが、北俣ノ水場から先、かなり水が細いので注意が必要と思います。
- 冷池山荘:◎受付で支払いをし、チケットをもらい給水所へ(200円/500ml)
- キレット小屋:◎ペットボトル購入
- 五竜山荘:◎ペットボトル購入、要煮沸の消毒済み雨水の販売あり
- 天狗山荘:◎雪渓の水場
- 白馬岳頂上宿舎:◎小屋の少し下にある雪渓の水場
- 赤男山付近の2か所:×(燕岩の先は水たまり程度)
- 朝日小屋への水平道:◎(ただし、朝日小屋のかなり近く)
- 朝日小屋:◎(テント場に水場が引かれていました)
- 朝日岳山頂直下:◎(吹上のコル側、雪渓から沢が出ている)
- 黒岩平:〇
- 北俣ノ水場:〇
- 黄連ノ水場:△(水流が細すぎて、水が溜まっているところから汲む。プラティパスだと難しいが、ペットボトルかコップはOK。)
- 白鳥小屋直下の水場:×
- シキ割:△(かなり細いが黄連よりは。。500ml汲むのにしばらく待つ)
【わかりにくい箇所】全般的に整備されていて、気になった点は特にありませんでした。
【危険個所】
前置きが長くなりましたが、まずは1日目の記録です。
扇沢(柏原新道登山口)~種池山荘~爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳南峰
利用していた夜行バスが中央道の渋滞で1時間ほど遅れ、計画よりもスタートが30分ほど遅れました。
登山口につくまでの間、キレット小屋での進退判断の制限時間を再確認し、身支度を済ませて、出発までの準備時間の短縮に努めました。。
扇沢は車と登山者であふれていて、コロナ禍前の夏山シーズンに戻ったような賑わいに感じました。何度もヘリが往復していて慌ただしい様子でもありました。
時間に余裕がなく、なかなかのスピードで柏原新道を登っていったのですが、途中でだいぶ息が上がってしまったのでペースダウン。
柏原新道は、全般的に道幅が広く、平たんな道も多くあり、歩きやすいです。
ガラ場を過ぎ、登山道脇にタイヤが出て登りになったら、山荘が近いです。
山荘に出るタイミングで、「ヘリが来たから小屋に急いで入るように!」と言われて、大急ぎで駆け込み、ついでに少し休憩としました。
種池山荘から爺ヶ岳南峰へは、緩やかなハイマツ帯を進んでいきます。
朝から登山者が本当に多くて、驚きでした。
爺ヶ岳南峰を降りると砂地の場所にでますが、コマクサが咲いてました。
引き続き、なだらかなハイマツ帯を進み、中峰、北峰(ピークは踏まない)を経て、冷乗越にいったん下り、冷池山荘まで少し登り返しとなります。
冷池山荘も休憩の方々でにぎわっていました。
ここで給水をして、休憩をとってから鹿島槍に向かうこととします。
山荘では普段飲まないジュースを買うのが楽しみの一つなのですが、キレット小屋まで楽しみをとっておくこととします。
冷池山荘を出て、テント場を通過し、なぜか無風でやたらに暑い草原地帯を通過し、布引山への尾根道へと進みます。
この日は風があったので、稜線歩きは快適でした。特に爺ヶ岳は涼しくて良かったです。
鹿島槍南峰までは、引き続き登山者が多く、なんだか忙しい感じでした。
種池山荘のロケーション、絵になりますね~。
布引山から平たんな尾根を経て、ジグザク登って鹿島槍南峰に無事到着。
登りは一区切りということで、ここで再び小休止。
鹿島槍ヶ岳南峰~北峰~キレット小屋
北峰から先は岩場が出てくるので、ヘルメットにしてストックは仕舞いました。
写真で見ると北峰まで穏やかそうな尾根道に見えますが、どちらかというと岩場の稜線歩きです。
南峰から先に進むと、一気に登山者が少なくなりました。
北峰山頂までの分岐まで進み、そこにザックをデポして山頂によってから、八峰キレットへと向かいます。
(キレット小屋まで写真がない。。)
北峰分岐からキレット小屋までは、トラバース道が多いです。
小屋の近くがまさに「八峰キレット」という場所で、ハシゴやクサリなどが連続している場所になっています。
ホールドもスタンスも豊富で、岩が滑りやすい感じでは無かったので、落ち着いて通過することができたかなと思います。
岩場を抜けたらキレット小屋に到着です。
再計画の制限時間には間に合ったので、五竜山荘に進むこととします。
お盆休み前まで水の購入制限になっていたようですが、この日は水は制限なし、ソフトドリンクは1人1本までという制限となっていました。
ここで飲んだジンジャーエール、美味しかったなぁ。
小屋では、五竜山荘を出て鹿島槍を往復してきた方が休憩していたので、少しお話をさせていただきました。
これから同じ方面に向かう方がいるとわかって、ちょっとほっとしました。
キレット小屋~五竜岳~五竜山荘
ここから五竜岳までが長い。
岩場もありつつも、トラバース道が多くあり、天気のいい日は稜線歩きを楽しむことができるコースだなと思いました。
徐々に雲が沸き上がってきました。
劔のほうはずっといいお天気でしたが、長野側からどんどん雲が上がって飲み込まれていきます。
口沢のコルまで淡々と進み、登り返して北尾根の頭で休憩。
とにかく五竜岳まで距離が長く、北尾根の頭からは登りが続き、なかなか堪えます。
ピークを越えては、「あれ、まだ山頂ではないのね。やれやれ、また登るか。」というのを繰り返し続けた末に、五竜岳に到着。
14時を過ぎていて遅めの時間ということで、山頂は人が少なかったようです。
山頂の上だけ青空が覗いていますが、景色はすっかり真っ白でした。
予約しているとは言え、テント場がちゃんと空いているかが心配で、山頂で少し休憩をしたら小屋に向かいます。
五竜岳から下っている途中で、雷鳥さんが登山道の近くを歩いていました。
(五竜の岩にうまく溶け込んでいて、感心!)
ガスの中、15時前に五竜山荘に到着。
小屋前のテーブルは大賑わいでしたが、テント場は空きがあり、平たんな場所に張ることができました。
降りたときはガスっていたのですが、休憩しているうちに日が出てきて、テント内はすっかりビニールハウスみたいな暑さになっていました。
装備を乾かすにはちょうど良かったものの、日がおちる18時半ぐらいまでは傘をさして日よけを作って暑さをしのいだり、外を散歩するなどして暑さ対策が必要でした。。
劔はすっかり見えなくなっていましたが、夕日はとてもきれいでした。
翌日の天気予報は良さそうですが、その次の日は午前中までは良いが午後は雨の可能性と出ていました。
計画では、翌日2日目は白馬まで行って、天気が良ければ清水岳・旭岳の散策に行こうかなと考えていましたが、そうすると3日目は栂海山荘から先で雨に降られる可能性がありそうです。少し考えたほうがいいかもと思いつつ就寝。。
2日目の記録へ。。